イスラエル兵士、配給所に近づくパレスチナ人を殺害するよう命じられたと証言

イスラエルのメディアは、兵士の証言を取り上げ、配給所での殺害命令について報じている。
非武装の群衆への発砲を命じられる
イスラエルの新聞「Haaretz」は6月27日、イスラエル軍の司令官が、「ガザ人道財団」の配給所に近づくパレスチナ人を殺害するよう、部隊に命じていると報じた。
その証言を行ったのは、匿名のイスラエル兵で、差し迫った脅威がないにもかかわらず、非武装の群衆への発砲を命じられたと述べたそうだ。
この記事を報じた「Haaretz」紙の記者、ニール・ハッソン氏によると、ガザ地区にあるアメリカとイスラエルの支援物資配給拠点でのパレスチナ人の殺害は、イスラエル軍による群衆「制御」の一環だという。
イスラエル兵らは、飢えた人々をある場所から別の場所に移動させるために、彼らが非武装だと分かっていても、銃火器を使っているそうだ。
この報道を受け、ガザ地区のメディア局は「脅威とはならない非武装の民間人への発砲を直接部隊に命じ、食料を待つ平和的な人々に対して重機関銃、大砲、砲弾を使用しているといった報道は、イスラエル占領軍が『救援』という偽りの名の下に、組織的なジェノサイド政策を進めていることの更なる証拠だ」と述べた。
一方、イスラエルのネタニヤフ首相とカッツ国防相は、この報道を否定。「卑劣な誹謗中傷」であり「悪意のある虚偽」だと非難したという。
しかしイスラエル軍が発砲し、多くのパレスチナ人が逃げていく動画は、SNSにも数多く投稿されている。
「Haaretz」紙の記者、ハッソン氏によると、イスラエルの主要メディアは主にイスラエル軍の視点から戦争を報道しており、人道的問題についてはほとんど報じていないという。
ガザ地区各地で62人が死亡
一方、ガザ地区では27日にもイスラエル軍の攻撃が続けられ、ガザ地区の民間防衛当局は、夜明け以降、イスラエル軍によって62人のパレスチナ人が殺害されたと発表した。
ガザ地区南部にある「ガザ人道財団(GHF)」が運営する配給所付近では6人が死亡し、別の場所でも1人が死亡したという。
またガザ地区北部のガザ市南西で、支援物資を待っていた3人が空爆で死亡。ガザ地区北部ではイスラエル軍による6回の空爆が行われ、30人が死亡したそうだ。
そのうち8人が、オサマ・ビン・ザイド学校への空爆により死亡し、1人の漁師がイスラエル海軍の艦艇の標的にされて殺害されたという。
ガザ市西部にある「聖家族学校」への攻撃でも、死者数が11人に上ったそうだ。
ガザ地区中部のアル・ブレイジ難民キャンプでも、イスラエル軍による2度の空爆で12人が死亡。ガザ地区南部のハンユニス近郊でも、イスラエル軍による5回の空爆が行われ、10人が死亡した。
また6月26日には、中部のDeir el-Balahにあるパレスチナ赤新月社の診療所で働いていた看護師、Haitham Bassam Abu Issaさんが非番中に、イスラエル軍によって殺害されたという。
パレスチナ赤新月社は、イスラエル軍の攻撃により、ガザ地区で死亡した医療従事者が50人目になったと発表している。(了)
出典元:Aljazeera:LIVE: Israel draws condemnation for Gaza aid site killings(6/27)