古代リスのフンから70万年前の環境DNAを発見 古代の生態系を復元する手掛かりに

カナダ北部ユーコンに広がる永久凍土で発見された、古代地リスのフン。その中には、最大70万年前の生態系を記録した“天然アーカイブ”が詰まっていることが明らかになった。マンモスなどの絶滅種を含む、多様な動物のDNAが残されており、当時の環境を詳細に復元できる貴重な手がかりとなっている。
70万年前まで遡る「天然アーカイブ」
カナダ北部の永久凍土で発掘された古代の地リス(地面に穴を掘って暮らすリスの仲間)の化石化したフンから、最大70万年前の環境DNAが大量に検出された。フンは永久凍土に封じ込められた状態で保存されており、植物、微生物、昆虫、さらには大型哺乳類まで、多様な生物の遺伝情報が残されていた。
対象となったのは、古代地リスが使用していた巣穴。氷期をまたいで凍結状態のまま閉ざされ、内部のフンや巣材が長期間劣化せずに残ったとされる。研究チームは、3万〜70万年前の複数の試料から環境DNAを抽出し、当時の生態系の様子を明らかにした。
解析では、絶滅したケサイ類(サイ科の絶滅類)やウマ、ステップバイソン、オオカミ、さらにはケナガマンモスのDNAの断片が確認された。研究チームは18個体の動物のミトコンドリアDNAを復元しており、これらは当時の大型哺乳類の分布や進化を理解する手がかりになるという。
なぜ古代地リスに大型動物のDNAが?
古代地リスのフンから大型動物のDNAが発見されたのだが、彼らが大型動物を食べていたわけではない。
研究者によれば、地リスは冬眠期間が長く、活動できる4ヵ月ほどの間に植物や種子、昆虫などさまざまなものを巣穴に持ち込む習性がある。この「収集行動」が、結果として古代生態系の詳細な記録を残すことにつながった。
知られていなかったリス系統も判明
従来、約70万年前の地リスは、現在ユーコンに生息する種と同じ仲間だと考えられていた。しかし解析の結果、当時は現在とは異なる、すでに姿を消した古い系統の地リスが生息していたことが判明した。
この系統は、現在西シベリアに生息する地リスに近い特徴を持っていたという。
温暖化が与える影響を知る鍵に
研究者たちは、小さな古代地リスのフンに記録されているデータは膨大であり、気候変動に対する過去の生物の適応を読み解く手がかりにもなると考えている。
また、巨大動物の進化や絶滅について、さらには現代の温暖化に対する動物の反応を考える上でも重要な資料になるという。
出典元:Nature Communications:Ground squirrel coprolites preserve complex archives of ancient environmental DNA over 700,000 years (6/9)
出典元:Smithsonian magazine:Researchers Investigated Ancient Squirrel Poop Frozen in Permafrost and Found Enlightening Details About the Animal’s Ecosystem(6/10)

























