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英国で危険な“人食いバクテリア”により12人が犠牲に…日本でも夏の行楽シーズンは注意

英国で危険な“人食いバクテリア”により12人が犠牲に…日本でも夏の行楽シーズンは注意
Pixabay

英国で危険な細菌に感染し、12人もの人が犠牲になっていたことが明らかとなった。

 

12人が死亡、計32人の感染を確認

 

英国において危険な細菌への感染が相次いでいるという事実を明らかとしたのは、同国の公衆衛生庁。

 

その報告によると英国東部に位置するエセックスにおいては、既に12人が死亡しているという。

 

さらに英国の臨床委託グループによると、最初に感染が確認されたのは今年の2月とのこと。

 

ところが3月には感染者数が急激に増加。これまでに合計32人において、細菌への感染が確認される事態となっている。

 

また感染はエセックス内でもブレインツリーからチェルムスフォード、さらにはマルドンと複数地域でみられており、拡大が懸念されている状況だ。

 

細菌への感染広がる英国エセックスの風景(Pixabay)

細菌の正体は“人食いバクテリア”

 

この細菌とは、“A群溶血性レンサ球菌”と呼ばれるもの。

 

A群溶血性レンサ球菌は皮膚上に存在していると何の害もないこともあり、健康な人においては風邪に似た症状をもたらす“レンサ球菌咽頭炎”を発症させることがある。

 

ところがこれが血流に入り込むと血管や神経を壊死させ臓器に障害をもたらすという“劇症型溶血性レンサ球菌感染症”と呼ばれる症状を引き起こすことがあり、これを発症した場合には免疫力が弱った人や高齢者において重篤な症状がもたらされ、最悪の場合は死に至ることもある。

 

そのため日本では“人食いバクテリア”などと称されることもある、恐ろしい細菌だ。

 

看護処置が感染拡大の原因か

 

一方英国公衆衛生庁によると、今回細菌への感染が確認された32人のうちほとんどが、地域において看護処置を受けた可能性があるという。

 

英国公衆衛生庁のJorg Hoffman氏は、これについて「これにみられる関連性は、ほとんどの事例において患者が何らかの看護を受けたことであり、細菌による病気へ罹患していたり死亡したりした患者のほとんどにおいては、包帯の交換といった怪我の処置を受けていた」と指摘。

 

これが細菌が患者の体内へと入り込む侵入経路になったのでは、とする見方を示した。

 

ただ英国公衆衛生庁は、現時点では感染拡大の原因を特定出来ていないとも伝えている。

 

そのため“我々は感染がどのように拡大し得たのか知るため、徹底的な調査を行っている”としている。

 

※画像はイメージです(Pexels)

日本でも増える劇症型溶血性レンサ球菌感染症

 

A群溶血性レンサ球菌が引き起こす劇症型溶血性レンサ球菌感染症は、日本でも近年確認されている。

 

国立感染症研究所によると、2017年に日本で確認された劇症型溶血性レンサ球菌感染症の患者数は525人。中でも東京都では66人と、全国で最も多くの人が感染していたことが判明している。

 

この数は1999年の記録開始以来、最多となっているという。

 

劇症型溶血性レンサ球菌感染症に感染した際の致死率は、30%ともされている。

 

また健康な若い人の間においてもこれに感染する可能性がないとは言えず、先月には米国で12歳の少女がこの感染によってふくらはぎを切除する手術を受けることとなったニュースが伝えられた。

 

尚この際の感染経路となったのは、少女が足に負傷したまま海水に浸ったことだとされている。

 

英国で増える“人食いバクテリア”への感染。海にプールと水に浸ることが多くなるこれからの夏のシーズン、負傷した際には水に入らないなど、細菌への感染を防ぐための注意が必要だ。(了)

 

 

出典:The Guardian:Rare bacterial infection leaves 12 people dead in Essex (6/25)

出典:BBC:Essex strep A outbreak: Deep clean of nurse bases after deaths(6/26)

出典:徳洲会:人食いバクテリアの恐怖 国内の感染者数が過去最多(2017/7/31)

出典:TRT:【日本】 「人食いバクテリア症」の発症者が年々増加(2017/12/26)

出典:しらべえ:「人食いバクテリア」感染で12歳少女がふくらはぎ切除 夏のレジャーに潜む危険性(6/29)

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