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オーストラリアの南東部にあるビクトリア州では以前から、新型コロナウイルスの感染者が増えていたが、先日ついに1日で500人以上の新規感染者が出てしまった。

パンデミック以来最も多い新規感染者

現在、ビクトリア州の新型コロナ感染者（実際に治療を行っている人）は4542人、そのうち683人が高齢者施設との関連がある人で、400人が医療従事者とされている。

そして7月27日には、1日の感染新規感染者が532人に及び、パンデミック以来最も多い記録を更新したという。

また27日には感染者の中から6人が死亡しており、いずれも90代から70代がほとんどだが、この中には50代の男性も含まれているそうだ。

さらにビクトリア病院では245人が新型コロナで入院しているが、そのうちの44人が重症患者として集中治療室に運ばれているという。

地域での感染から高齢者施設へ

亡くなった人のうち5人は高齢者施設で感染が拡大したことが原因とみられ、同州保健当局のチーフであるBrett Sutton教授によれば、これはコミュニティからの伝播の結果だという。

また感染が拡大した施設では、入居者と同時にスタッフの間でも感染が広がっており、特に入居者は死亡のリスクが高いと言われている。

実際、イギリスでは新型コロナで亡くなった人の約半数が、高齢者施設の入居者だったとそうだ。

具合が悪くなったら仕事へ行かないように

ビクトリア州首相であるDaniel Andrews氏は、人々は具合が悪くなっても職場へ行っていると指摘。その上で、人々に対し具合が悪くなったら、たとえ症状が軽くても職場へ行ってはいけないと注意を呼びかけている。

さらに人々が行動を改めなければ、ビクトリア州では受け入れがたいほど高いレベルの新規感染者が出続けると警告している。

その一方で、州政府は自己隔離や子供のケアなどで仕事へ行けない人々に対して、1500ドル（約16万円）の給付金を出しているが、それらを受け取れずに数週間も待ち続けている人々もいるという。

オーストラリアは、これまで新型コロナによる大きな影響は受けていなかった。しかし今やすでに第2波に襲われているとも指摘されている。南半球ではこれから寒い季節に入ってくるため、第2波がどのような状況を引き起こすのか注視していきたい。（了）

出典元：ABC Net：Victorian coronavirus cases continue to soar with record 532 new infections, six deaths(7/27)