氷河を調査した考古学者、ほぼ完全に保存された1500年前の矢を発見
スカンジナビアの考古学者チームが、氷の中に閉じ込められていたと考えられる約1500年前の矢を発見した。1500年前といえば、ヴァイキングが栄えた時代のさらに前だ。
氷河の石の間に挟まっていた
矢は、ノルウェー・ヨートゥンヘイメン山地(Jotunheimen Mountains)の氷河地帯で見つかった。斜面の石と石の間に挟まっていたという。
発見したのは、「Secrets Of The Ice」というノルウェーのリサーチプロジェクトに参加した考古学者チーム。矢は最近まで氷の中に入っており、そのままの状態で下流に押し流され、氷が融けて露出したと見られている。
矢の保存状態は「とても素晴らしい」とのこと。氷河で見つかる矢は、たいてい軸の部分が無くなっているそうだが、この矢は全体がそのまま残っている。すぐにでも使えそうな状態だ。写真がFacebookに公開されている。
トナカイを射ち損ねた矢か
矢じりの形と軸の形から判断して、矢は西暦300年から600年の間に作られたものであるらしい。
「(矢が見つかった)この場所はトナカイの狩場なので、当時の狩猟民がトナカイを射ち損ね、その矢が雪に埋もれたのだろうと思います。彼らにとってはハズレでしたが、考古学者にとっては大当たりというわけですね」こう言うのは調査プロジェクトの責任者であるLars Holger Pilø氏。
氷河は、先史時代の遺物の「金鉱」なのだそう。そこからの出土品は保存状態が良く、つい最近作られたように見えるものが少なくないという。
リサーチプロジェクト「Secrets Of The Ice」は、2006年にスタートした。その年は気温が異常に高く、氷河の融けるスピードが特に速かったそうだ。(了)
出典元:Newsweek:Arrow Older Than the Vikings Discovered After 1,500 Years Frozen in Ice(8/22)
出典元:Good News Network:Archaeologists Found a Perfectly Preserved 1,500 Year-old Arrow Inside a Glacier(8/23)