トランプ大統領、わずか319頭のオオカミを「今日から撃っていい」と発言

9月4日、トランプ大統領はホワイトハウスの大統領執務室で農家・牧場主らと会談し、メキシコオオカミ(Mexican gray wolf)とハイイロオオカミ(gray wolf)の絶滅危惧種保護を見直し、指定解除・格下げを検討する大統領令に署名。「今日から撃っていい」と発言した。
政権は牧畜業者の負担軽減を名目としているが、野生動物保護団体は科学的根拠を欠いた政治的判断だと批判している。
オオカミの保護指定見直しを促す大統領令
会談で牧畜業者は、オオカミが家畜や犬、馬を殺すと訴え、保護指定のために対処できない状況を説明した。会談を受けて署名された大統領令は、ハイイロオオカミとメキシコハイイロオオカミが絶滅危惧種法(ESA)で保護される必要性について、内務長官に再評価を求める内容だ。
なお、ハイイロオオカミは米国本土48州の大半で絶滅危惧種に指定されており、ミネソタ州では脅威種、ロッキー山脈地域では保護対象外となっている。
7頭から数を回復させた過去
メキシコハイイロオオカミは、かつて米国南西部からメキシコ北部にかけて広く生息していた。しかし、家畜を襲う捕食者として長年にわたり駆除の対象となり、米国では1970年までに野生から姿を消し、絶滅寸前の状態に追い込まれた。
1976年に米国の「絶滅危惧種法(Endangered Species Act)」の保護対象となり、米国とメキシコは残された個体をもとに飼育下繁殖による保全事業を開始。1995年には3つの飼育系統が統合され、わずか7頭のオオカミを基礎として、個体数を回復させる取り組みが続けられた。
その結果、米国の野生個体数は増加を続け、2025年時点で米国内の個体数は319頭に達したものの、4年間平均320頭という格下げ基準はまだ満たしていない。
トランプ氏「今日から撃てる」と発言
大統領令署名の場では、トランプ氏が牧畜業者を前に「今日から撃てる」と発言した。
🤣 “Well, you can SHOOT them as of today.” @POTUS‘ HILARIOUS response to hearing about the Grey Wolf’s widespread destruction of land and livestock.@taymitchell_tv pic.twitter.com/05QOILxBel
— Real America’s Voice (RAV) (@RealAmVoice) September 4, 2026
動画では、トランプ氏が「今日から撃てる」と発言した後、農務長官ブルック・ロリンズ氏は、保護指定のため牧畜業者がオオカミを撃てない現状を説明している。トランプ氏は「家畜を守れるようにする」と応じた。
ワシントン州の牧畜業者は、州政府が対策を認めないと不満を述べたが、トランプ氏は「許可する。選択の余地はない」と繰り返した。
保護団体は政治的圧力を批判
野生動物保護団体「ディフェンダーズ・オブ・ワイルドライフ」は、家畜の損失に占めるオオカミの割合は1%未満であり、天候や病気の方が大きな要因だと指摘する。同団体は、非致死的な対策の拡充こそ、牧畜業者支援につながると主張している。
同団体は、ハイイロオオカミの保護解除が政治的圧力によって繰り返されてきたと批判。各州で非致死的対策の訓練や設置支援、コロラド州でのレンジャー派遣などを行い、共存策の普及を進めている。(了)
出典元:MediaITE:Trump Gives Reluctant Ranchers The Go-Ahead To ‘Take Care Of’ Endangered Species: ‘You Can Shoot Them As Of Today’(9/4)
出典元:Defenders of Wildlife:Trump Administration Executive Order Targets Wolves to Appease Ranchers(9/5)
出典元:The U.S. Fish and Wildlife Service:Conserving the Mexican Wolf

























