オウムも人間と同じく食べ物に味付けすることを好む、実験で判明
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一部のオウムがさまざまな食べ物をヨーグルトにつけて食べることが、実験で確認された。
豆乳ヨーグルトにつけて食べるオウム
オーストリア・ウィーン獣医大学の研究チームは最初に、飼育されている2羽のゴフィンオウムが朝食時に、ブルーベリー味の豆乳ヨーグルトに、調理したジャガイモを浸すのを目撃したという。
そこで研究チームのJeroen Zewald氏とAlice Auersperg博士は、14回の試験を実施。18羽の鳥のグループに、パスタとカリフラワー、またはジャガイモとニンジンが入ったボウルと、ブルーベリー豆乳ヨーグルト、プレーン豆乳ヨーグルト、真水の3種類のディップ(ソース)を与えたそうだ。
するとニンジンやカリフラワーに関しては直接食べたが、オウムのうち9羽は、パスタ、ジャガイモ、またはその両方を豆乳ヨーグルトに浸したという。
またこれらのオウムはプレーン味よりブルーベリー味を好み、そのまま食べることもあったそうだ。
人間も料理を作るときに味や食感を混ぜ合わせるのが好きだが、この実験ではオウムもそうすることを好むことが示唆された。
食べ物を柔らかくした可能性は低い
実は1960年代にも、ニホンザルがジャガイモを塩水に浸すことが研究で発表され、動物が食べ物に味をつけることが示された。
また以前の研究でも、一部のオウムが乾いた「ラスク」を食べる前に水に浸すことが確認され、人がビスケットを紅茶に浸して食べるのと同様、ねっとりとした食感を好むことが示唆されたという。
しかし今回の実験では、食べ物がすでに柔らかく、オウムが水に浸さなかったこと、また豆乳ヨーグルトに浸すのは約3秒だけだったこと(水の場合は20秒浸していた)から、食べ物をふやけさせようとした可能性が低いと推察された。
研究チームはむしろ、オウムたちがヨーグルトに浸したのは味付けのためだと考えており、またブルーベリー豆乳ヨーグルトを好んだのは、色のせいではないことも示唆されたという。研究者たちは、次のように述べている。
「彼ら(オウムたち)は食べ物とヨーグルトを一緒に食べ、食べ物を食べる前にヨーグルトを舐め取ることは決してなかった。これは、彼らが両方の食べ物の組み合わせを好んでいることを示している」
このような行動は野生では観察されておらず、全てのオウムが同様の行為をしていないため、研究者らは、この行動が生来のものではないとの見方を示している。(了)
出典元:The Guardian:Cockatoos show appetite for dips when eating bland food, find scientists(2/10)