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マレーシア下院でフェイクニュース対策の法案可決、ブログやSNSも対象に

マレーシア下院でフェイクニュース対策の法案可決、ブログやSNSも対象に
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マレーシアの代議院(下院)で、“フェイクニュース”対策のための法律が可決されることとなり、注目を集めている。

 

違反すれば最長6年の禁固刑に

 

マレーシアが今回審議することとなった法案は、近年ネット上に数多く出回り、偽の情報を用いて世論を誤った方向へと導こうとする、いわゆる“フェイクニュース”への対抗措置となるもの。

 

この法案の取り締まりの対象としては報道機関のみならず、公開討論会やブログ、さらにはソーシャルメディアも含まれるとのことだ。

 

違反した場合には、最長で6年の禁固刑が課されるという。

 

ちなみに当初の法案においては、違反した場合の禁固刑は最長10年、さらに最大で16万6000オーストラリアドル(約1400万円)の罰金が科される予定だったとのこと。

 

しかしこの刑罰はあまりに厳しすぎるため批判が相次ぎ、結果的に禁固刑が最長6年まで引き下げられることになったという。

 

 

今回の法には批判も相次ぐ

 

この時期に、マレーシアがフェイクニュースを取り締まる法案を可決したのには理由がある。

 

マレーシアでは5月9日に総選挙を控える。

 

今回の法案は、それに先立ち現政権への批判を行うニュースが増加することを念頭に、作成されたものと考えられている。

 

 

一方で法案は123の賛成票と64 の反対票によって、2回の審議を経て代議院(下院)において可決されることとなったが、すでに1回目の審議において外部からの強い批判に晒されている。

 

米国を拠点とする国際的な非政府組織「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」のBrad Adams氏は、「活動家らはフェイクニュース対策の法が、選挙区の区割りやその他の選挙実施過程における事象の批判に対して使用されることを恐れている」と声明において指摘。

 

しかしこのような批判に対し、マレーシアの情報通信・メディアを担当する大臣Salleh Said Keruak氏は、同様の法律はドイツやシンガポールも導入を検討、あるいは既に導入を行っている、と反論している。

 

マレーシアにおける法律の制定過程では、上院にあたる元老院で法案を審議した後に国王の同意を得なければならないが、元老院での審議は近く予定されているという。

 

偽情報を流すフェイクニュースをいかに対処するかというのは、今やメディアにとっては大きなテーマとなっている。しかし今回のマレーシアの法律に関しては、それ以前の問題が横たわっているように感じられてならない。(了)

 

出典:Techly:Malaysia just introduced a six-year jail sentence for ‘fake news’(4/11)

出典:Quartz:Malaysia’s fake-news law is going to make it hard to talk about its biggest corruption scandal(4/12)

出典:日本経済新聞:注視すべきマレーシア選挙 (4/12)

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