温暖化による水没に備え、モルディブ共和国が水上都市の建設を開始
地球温暖化によって海水の温度が上がると、氷河や氷床が融けるなどして海面水位が上がると言われている。全国地球温暖化防止活動推進センター(JCCCA)のサイトによれば、「このままでは、21世紀中に最大82cm上昇すると予測されて」いるそうだ。
このことに脅威を感じている国の1つが、モルディブ共和国だ。インド洋に浮かぶ多くの環礁と約1200の島から成るこの国は、海抜が1メートル上昇すると国土の80%が水没すると言われている。
そうなった時に、国民をどうやって救うか、国をどう存続させるか。この問題に対するモルディブ政府の答えが、浮かぶ都市「Maldives Floating City(モルディブ・フローティング・シティ)」だ。数年前に発案されたこの建設プロジェクトが、今年3月14日、正式にスタートした。来年初頭には着工の予定となっている。
世界初の浮かぶ都市
モルディブ・フローティング・シティを設計したのは、オランダの設計会社「Dutch Docklands」。水に浮かぶ家や建築物の設計を専門に行なう同社は、海抜ゼロメートルの国と言われるオランダで「何千もの浮かぶ住宅を作ってきた」そう。だが、都市を丸ごと1つ作ったことはなく、完成すれば「世界で最初の浮かぶ都市となる」、とCEOのPaul van de Camp氏は言う。
浮かぶ家、店、学校や病院
この都市は、モルディブの首都マレから船で10分ほどの所にあるサンゴ環礁の中に作られる。浮かぶ家が格子状に連結され、その中には店やレストラン、学校や病院もあるという。周囲のサンゴ礁には人工ビーチが作られるらしい。
プロジェクトを推進するモルディブの前大統領・Mohamed Nasheed氏は、海外メディアにこう話している。
気候変動への対応は、自然を壊すのでなく、自然と協力していかなければならない。モルディブの場合、我々は波(の上昇を)止めることはできないが、波と共に上昇することはできる。
(了)
出典元:Good News Network:To Respond to Rising Sea Levels, The Maldives is Building a Floating City(6/8)
出典元:YouTube:Maldives Floating City Project Launch(3/18)
出典元:Wikipedia:モルディブ