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イスラエル、ガザ地区への人道支援物資の供給を停止、停戦協定の変更を迫る

イスラエル、ガザ地区への人道支援物資の供給を停止、停戦協定の変更を迫る
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イスラエルは3月2日、パレスチナ武装組織「ハマス」に停戦協定の内容を変更するよう迫り、ガザ地区への人道支援物資の供給を停止させた。

 

停戦の第1段階の延長を求める

 

イスラエルのネタニヤフ首相は、「ハマス」との停戦協定の第2段階へ進むのを拒否し、第1段階の延長を求めたという。

 

停戦協定の第1段階は、刑務所に拘留されているパレスチナ人の釈放と引き換えに、イスラエル人の人質を解放すること、また人道支援物資の増加、及び一部の拠点からのイスラエル軍の撤退とされている。

 

第2段階はイスラエル軍のガザ地区からの完全撤退と、永続的な敵対行為の停止を必要とする。

 

そして停戦の第1段階はすでに3月1日に終了し、第2段階へ進む予定だったが、ネタニヤフ首相は、イスラエル軍をガザ地区に残したまま人質の解放を求め始め、第1段階の延長を「ハマス」側に要求した。

 

仲介したアメリカのウィトコフ特使は、イスラエル側に停戦の第1段階を4月20日まで延長し、その間に生存している人質と遺体の半数を引き渡すことを提案。イスラエル側はそれに同意したが、エジプトのカイロでの協議で「ハマス」側は拒否した。

 

これによりイスラエルは3月2日、ガザ地区を封鎖し、人道支援物資の搬入を停止させた。

 

「支援停止は戦争犯罪で、停戦違反だ」

 

そもそも停戦の第1段階の6週間で、ガザ地区への搬入量は、紛争前の水準である1日あたり約600台のトラックに戻り、そのほとんどは食糧だったという。

 

しかし人道支援の関係者は、たとえ食糧配給が再開されたとしても、飲料水の不足、病院や診療所のほぼ完全な破壊、真冬の避難所の不足、瓦礫の中に溜まった未処理の下水は、生き残った220万人の住民にとって致命的となる可能性があると指摘していた。

 

このため国連のグテーレス事務総長は、今回のイスラエルの措置に対し、ガザ地区への人道支援を「即時」に再開するよう求めた。

 

また「ハマス」側も声明で、「支援停止は『戦争犯罪』であり停戦協定違反だ」と非難。ネタニヤフ首相の「人道支援停止」の決定は、「安っぽい脅迫であり、戦争犯罪であり、停戦協定に対する露骨なクーデターだ」と述べたという。

 

さらに「ハマス」の幹部であるMahmoud Mardawi氏も、中東メディア「アルジャジーラ」に対し、すでに合意された段階的停戦の条件に基づいてのみ、残りのイスラエル人の人質を解放すると語った。

 

一方、ネタニヤフ首相の事務所は2日、声明で「イスラエルは人質の解放なしに停戦を認めない。ハマスが拒否を続ければ、さらなる影響が出るだろう」と警告したそうだ。(了)

 

出典元:The Guardian:Israel cuts off humanitarian supplies to Gaza as it seeks to change ceasefire deal(3/2)

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