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米軍、イランに合意を促すため、中東に約1万人規模の追加派兵を検討

米軍、イランに合意を促すため、中東に約1万人規模の追加派兵を検討
Demetrius L. Patton, U.S. Navy

アメリカ軍が今後、約1万人規模の兵力を中東地域に追加派遣させると報じられている。

 

4月末までに1万人増派の可能性

 

アメリカの有力紙「ワシントンポスト」紙によれば、空母「ジョージ・H・W・ブッシュ」をはじめとする複数の軍艦に乗艦する約6000人の兵士が今後、中東地域に展開する可能性があり、さらに4200人が4月末までに合流する可能性があるという。

 

4月22日にはイランとの2週間に及ぶ停戦の期限を迎えることになり、この動きはイラン政府に交渉の合意を促すための圧力と考えられている。

 

またアメリカの国防総省は、イランに対する追加攻撃や地上作戦も検討しており、イランの核物質回収作戦、ホルムズ海峡防衛のための沿岸地域への海兵隊上陸作戦、イランの主要石油輸出ターミナルであるカーグ島の制圧作戦などが含まれているそうだ。

 

さらにアメリカ中央軍は4月15日、イランに対する海上封鎖開始後、最初の48時間で9隻の船舶がイランの港から出航するのを阻止したと発表。「9隻の船舶がアメリカ軍の指示に従い、イランの港または沿岸地域へ引き返した」と明らかにした。

 

米軍の海上封鎖は効果的なのか?

 

アメリカによるイラン港湾の封鎖は、イランの石油収入を断ち、政権を交渉のテーブルに戻すことを目的としているが、世界市場から1日あたり約200万バレルの石油を奪い、世界の供給をさらに逼迫させる可能性があるとも指摘されている。

 

データによれば、イランは戦争が続いているにもかかわらず、3月には1日平均184万バレルの石油を輸出していたという。その一方、ホルムズ海峡を経由する湾岸諸国からの石油輸出は、3月初旬からのイランによる事実上の海峡封鎖によって大幅に制限されてきた。

 

このためアメリカ軍は、ホルムズ海峡を通るタンカーの流れを再開させようと、イラン以外の船舶の安全な航路確保を目指している。トランプ政権の関係者は、封鎖開始以来、イランとは関係のない20隻以上の船舶が海峡を通過したと説明していた。

 

しかし船舶の動きを追跡している専門家やアナリストは、これらの主張の正確性に疑問を呈している。

 

海事データ会社「Kpler」は、「ホルムズ海峡の交通量は、依然として通常レベルを大きく下回っている」とし、封鎖開始日である4月13日にホルムズ海峡を通過した船舶は、わずか6隻だったと指摘した。

 

ノースカロライナ州にあるキャンベル大学のサルヴァトーレ・メルコリアーノ准教授も、「トランプ政権は海峡を通過する船舶について盛んに語っているが、今のところ何の(変化の)兆候もない」と述べている。

 

専門家らは、アメリカ海軍の存在にもかかわらず、多くの海運会社がイランからの攻撃を恐れてホルムズ海峡への出入りを躊躇するだろうと指摘。ドイツの海運大手の「Hapag-Lloyd」も、情勢が依然として緊迫しているため、当面はホルムズ海峡の航行を再開しないと表明した。

 

現状では、運航環境は依然として高リスクであり、ホルムズ海峡の船舶輸送量の本格的な回復は期待できない。

 

紅海やオマーン湾でも攻撃を示唆

 

イラン軍作戦司令部は4月15日、アメリカ軍による海上封鎖が「イランの商船や石油タンカーの安全を脅かす」場合、イラン側はこれを停戦協定違反とみなすと述べた。

 

またアメリカ海軍によるイラン港湾の封鎖が続く場合、ホルムズ海峡やその東側のオマーン湾、そして紅海における船舶の航行を脅かすと警告した。

 

ウラン濃縮のレベルで交渉可能

 

イラン外務省の報道官は4月15日、定例記者会見で、核エネルギーの平和利用の権利は「圧力や戦争によって奪われることはない」とし、イラン側がウラン濃縮を行う権利を持っていることは「議論の余地がない」と述べた。

 

その一方で報道官は「濃縮のレベルと種類に関して、我々は常にこの問題は交渉可能であると述べてきた」と主張した。

 

そもそもトランプ大統領は、現在もイランが核兵器を作ろうとし、核兵器を持つことは許されないと主張し続けているが、アメリカの情報機関は、そのような兆候はないとの見方を示してきた。

 

トランプ政権のトゥルシー・ギャバード国家情報長官は2025年3月、上院情報委員会で「情報機関はイランが現在、核兵器を開発していないと評価している」と述べ、「イランの最高指導者ハメネイ師は、2003年に中断された核兵器プログラムの再開を承認していない」と証言している。

 

またギャバード国家情報長官は今年3月にも、アメリカとイスラエルが2025年6月にイランの核施設を空爆した後、「イランは(核開発に必要なウランの)濃縮能力を再建することは試みていなかった」とする声明文を発表した。(了)

 

出典元:The Guardian:Middle East crisis live: Netanyahu says there will be no ceasefire in Lebanon, US denies asking for Iran ceasefire extension(4/15)

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