エルニーニョにより、世界の平均海面水温が過去最高を記録

エルニーニョが、既に温暖化が進む世界に、さらなる熱を注入し、世界の海面水温が上昇している。
エルニーニョが海に熱を加えている
欧州連合の「コペルニクス気候変動サービス(以下、コペルニクス)」によると、8月22日の世界の平均海面水温(SST)は、1979年の観測開始以来、過去最高を記録したという。
「コペルニクス」は温度測定センサーを搭載した衛星を用いて、世界の海面水温を推定しており、8月22日の平均海面水温は摂氏21.10度に達し、過去最高を記録した2024年(観測史上最も暑い年)の21.09度を上回ったそうだ。
「コペルニクス」の気候変動戦略責任者である、サマンサ・バージェス氏は声明の中で、次のように述べている。
「この記録は、海洋がますます大きな負荷にさらされていることを示す、また別の明確な兆候です。エルニーニョ現象は海洋システムに熱を加えていますが、それは数十年にわたる人為的な温暖化の上に起こっています。海水温の上昇が続くにつれ、海洋生態系と沿岸地域社会へのリスクも増大するでしょう」

6月と7月も過去最高を記録
エルニーニョとは、太平洋の海水温が異常に高くなる現象で、数年間の間隔で繰り返される、自然の気候パターンとされている。
今年は6月11日にエルニーニョ現象が始まり、一時的にさらなる温暖化を引き起こし、6月と7月も、それぞれの月の平均海面水温が過去最高を記録したという。
そもそも海洋温暖化は、海面上昇の加速と海洋熱波のリスクを増加させ、すでに海面上昇は世界中の沿岸地域を脅かしている。
一方、海水温の上昇は、サンゴ礁をはじめとする重要な海洋生態系に被害を与え、ひいては食物連鎖や、これらの海の生態系に依存する人々の生活にも影響を及ぼす。
また海洋温暖化は気象システムにも影響を与え、地球温暖化を加速させ、それがさらに海洋温暖化を加速させるという悪循環を生み出すそうだ。
最大規模のエルニーニョになる可能性
エルニーニョ現象は依然として進行しており、アメリカ海洋大気庁(NOAA)の気候予測センターは、秋から冬にかけて非常に強いエルニーニョ現象が発生する確率が90%以上あると予測している。
またイギリス気象庁(Met Office)も先週、今年のエルニーニョ現象が観測史上最大規模となり、19世紀以降で最大規模となる可能性が高いと発表した。
イギリス気象庁の長期予報責任者であるAdam Scaife氏は、8月21日の声明で「これは前例のない事態であることを、明確にしておく必要があります。これほど強いエルニーニョ現象のシグナルを、予報で見たことは一度もありません」と述べている。
もっとも強いエルニーニョ現象が、必ずしも深刻な気象現象やその他の影響をもたらすとは限らない。ただそれでも、異常気象のリスクは高まるという。(了)
出典元:Livescience:Ocean ‘under unprecedented strain’ as El Niño helps supercharge warming to record levels(8/24)

























