交通事故に遭った女性の舌から黒い毛が生えた!?専門誌が珍しい症例を伝える
アメリカの医療専門誌が、交通事故に遭った女性の珍しい症例を伝えている。
口の中がまずい味、吐き気も
専門誌「The New England Journal of Medicine」によれば、交通事故に遭ったのは55歳の女性で、以前車の事故により両足に大きなケガ(挫滅創)を負ったという。
その後、彼女は医療機関でケガをした箇所の感染を防ぐため、静脈に抗生物質を注入され、ミノサイクリン(抗生剤)を経口投与されたそうだ。
それから1週間後、女性は自分の舌が黒く変色しているのを発見、さらに表面が毛羽立ち、毛のようなものが生えていることに気づく。
さらに口の中もまずい味がし、吐き気を催したと報告している。その時の写真が下になる。(※不快に思う方もいるかもしれないため、閲覧にはご注意頂きたい)
薬が原因?4週間後には消える
ワシントン大学の医師は、このような症状が出たのはミノサイクリンによる治療が原因だと見ている。
実際、女性にはその後、ミノサイクリンの投与が中断され、抗菌性の薬が与えられたが、4週間後には舌に毛のようなものが生える症状は消えたそうだ。
この症状は通称「Black Hairy Tongue(黒い毛のような舌)」と呼ばれているが、悪性ではなく、舌の上にある糸状乳頭の肥大や延長によって特徴づけられるもので、テトラサイクリン系抗生剤の投与によって起きると言われている。
また口腔内を不衛生にしていることや、ヒリヒリするようなマウスウォッシュ、過度の飲酒、喫煙などでも起きる場合があり、一般に考えられているよりも患者は多いらしい。
「The American Academy of Oral Medicine」の報告によれば、人口の13%の人にこのような症状があらわれているという。
しかし口腔内を清潔に保てば、たいてい改善し、また早い段階で治療を受ければ、症状が長く続くことはないそうだ。
口の中に毛のようなものが生えるとは驚きだが、このような状態にならないためにも口の中を清潔に保ち続けたいものだ。(了)
出典元:The New England Journal of Medicine:Black Hairy Tongue(9/6)
出典元:NYPost:Woman suffers from ‘black hairy tongue’ after car accident(9/6)