ドイツの極右政党が州議会選挙で勝利、ヨーロッパは「重大な局面」だと警戒

ドイツの極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が州議会選挙で大幅に躍進し、ヨーロッパでは警戒感が広がっている。
「AfD」の得票率が倍増
ドイツのザクセン=アンハルト州では9月6日に州議会選挙の投票が行われ、「ドイツのための選択肢(AfD)」が得票率をほぼ倍増させ、43.8%を獲得した。
一方、フリードリヒ・メルツ首相率いる中道右派の「キリスト教民主同盟(CDU)」は17.2%にまで落ち込み、5年前の同選挙の半分以下の得票率となった。
過去60年以上にわたりドイツのもう一つの主要政党であった中道左派の「社会民主党(SPD)」も、かろうじて9.3%の得票率にとどまった。
もっとも「ドイツのための選択肢(AfD)」が州議会で、政権を樹立できるかどうかはまだ不透明だ。83議席の議会で39議席を獲得しているものの、過半数にはわずかに届かない。
ただ今回の得票数は同党にとって過去最高の州議会選挙の結果であり、第二次世界大戦後、極右政党としてはドイツの州の政権樹立に最も近づいたと言える。
この結果はヨーロッパ中に衝撃を与え、極右支持者たちは「歴史的な勝利」であり「始まりに過ぎない」と歓喜する一方、主流派の指導者たちはヨーロッパにとって「重大な局面」だと警告している。
仏極右指導者でさえ「過激すぎる」
「ドイツのための選択肢(AfD)」は、ナチスを連想させるイメージを掲げ、反移民政策を訴え、「生物学的」ドイツ人と「パスポート」ドイツ人を区別しているという。
この政党の政策は、フランスの極右指導者、マリーヌ・ルペン氏でさえ「過激すぎる」と考えているそうだ。
しかも「ドイツのための選択肢(AfD)」は、ドイツ国内の情報機関によって「極右過激派」と公式に指定されている。
もっともドイツの特定の州における、極右政党の躍進を、過度に警戒する必要はないとの意見もある。
実は、ザクセン=アンハルト州の有権者数はわずか180万人で、長年、極右政党の牙城になってきたという。
実際に過去10年間の連邦議会選挙と州議会選挙において、同州における「ドイツのための選択肢(AfD)」への支持率は、全国平均の2倍を常に維持してきたそうだ。
イギリス、オックスフォード大学のヨーロッパ政治学教授、Tarik Abou-Chadi氏も「ドイツで極右政党が地方選挙に勝利することは、フランス、イギリス、オランダで極右政党が地方選挙に勝利することと比べて、特に恐ろしいことではない」と述べている。
全国世論調査でも優位
しかし「ドイツのための選択肢(AfD)」は、ドイツの全国世論調査でも優位に立っている。
北部のメクレンブルク=フォアポンメルン州でも、「社会民主党(SPD)」と接戦ではあるものの、「ドイツのための選択肢(AfD)」はリードしており、同州では今月末に州議会選挙が予定されている。
また、リベラルなベルリンでさえも、「ドイツのための選択肢(AfD)」の支持率は2位につけているという。
ヨーロッパ全体でも極右支持者が増加
しかも極右政党はどの国でも支持率が上昇しており、ヨーロッパの中央部は大陸規模のナショナリズムの波を懸念している。
オランダ、アムステルダム大学の政治学者、Matthijs Rooduijn氏率いる研究によると、現在ヨーロッパの有権者のほぼ4人に1人が、極右政党に投票しているという。
この割合は1990年代半ば以降、約5倍に増加し、特に過去3年間で急激に上昇しているそうだ。
31カ国の150人以上の政治学者による分析では、直近の総選挙で極右政党に投票したヨーロッパ人の割合は、10年前の約10%、1995年の約5%から、2026年には23%以上に上昇したという。
しかもすでに極右政党は、クロアチアやチェコ、イタリア、フィンランドで連立政権の一員として政権に参加しており、スウェーデンでは右派少数政権を支えている。
またオーストリア、ベルギー、フランス、ドイツ(そしてごく最近までイギリス)では、世論調査でも極右政党が優位に立っているそうだ。
スウェーデンでは来週末に議会選挙が行われ、フランスでは来春、重要な大統領選挙が控えている。
その後、フランス、イタリア、スペイン、ポーランドでも主要な議会選挙が実施される予定だという。
ドイツの極右指導者であるヒトラーは第2次世界大戦を引き起こし、ヨーロッパ中を戦火に巻き込み、罪のない多くの人々が犠牲となった。(了)
出典元:The Guardian:Europe’s centre fears nationalist wave after AfD victory but only has itself to blame(9/7)


























