アトラクションで過剰に食べ物を与えられたトラ、中国の動物園に非難の声
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中国の動物園で飼育されている多くのトラが過剰に食べ物を与えられ、異様なほどの肥満状態になっているとして非難の声が寄せられている。
●訪れた人も心配の声を上げる
そのトラたちが飼われているのは、中国北東部のハルビン市内にある「Siberian Tiger Park」。
英紙METROによれば通常、野生のトラは狩りをするために敏捷に動くが、この動物園では多くが異常なまでに太り、もはや床に転がることしかできないという。
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その結果、ここを訪れた人々やネットなどで写真を見た多くの人から、トラを心配する声が上がっていたそうだ。
これに対し動物園側は、全く心配はないと主張。冬の間にトラの体重が増えるのは通常のことで、春になると余分なぜい肉は落とされていくと述べている。
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●捕獲されたトラには冬の“備蓄”は必要なし
しかし世界的に活動を行っている野生動物保護機関「Born Free Foundation」の総裁、Will Travers氏は、METROの取材に対し次のように語った。
「これは不適切で自然に反した食事を与えていることを示している。監禁の永続性を考えると、自然な行動や運動の面では嘆かわしいほど不適格な環境だ。私の見解では、これは『面白い』とか『かわいい』とかの問題じゃない。これらの動物たちは、まさに病んでいる」
さらに「International Fund for Animal Welfare」の広報官も動物園の主張に対し、次のようにコメントしている。
「継続的に栄養バランスを保つため、食事の調整は季節の気温に合わせて行われるべきです。捕らえられたトラたちは、もはや食事のために狩りをする必要はありません。つまり獲物が取れない冬の時期の“備蓄”(ぜい肉)は必要ないのです」
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●アトラクションで客がエサを与える
実はこの動物園は以前から問題視されており、別の記事でも食事の与え方に関して非難されている。
というのもここでは、お金を払った客がトラにエサを与えることができ、時には生きたニワトリやヤギ、牛までもトラックで運んではトラのいる場所に放ち、食事をさせていたからだ。
つまり客を喜ばせるアトラクションのために生きたまま他の多くの動物が与えられ、その結果トラたちはここまで無理やり太らされたと考えられている。
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出展元:METRO:Here’s why you shouldn’t be laughing at these obese tigers(2/7)