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発がん性物質を低減できるパンを作るため、遺伝子編集された小麦を開発

発がん性物質を低減できるパンを作るため、遺伝子編集された小麦を開発
flickr_Lorie Shaull

イギリスで科学者が、パンを焼いた際の発がん性物質を減らせる、新しい小麦を開発した。

 

「CRISPR」を用いて遺伝子編集

 

その小麦を開発したのは、イングランドのハートフォードシャーにある、「ロザムステッド研究所」の科学者たちだ。

 

そもそも小麦には、窒素を貯蔵するために利用される「遊離アスパラギン」というアミノ酸が含まれているという。

 

そしてパンを焼いたり、トーストしたりすると、このアミノ酸は「アクリルアミド」という化合物に変化。アクリルアミドは、発がん性の可能性が高い物質として分類されている。

 

そこで研究者たちは、生物のDNAを選択的に編集できる「CRISPR」ゲノム編集技術を用い、新たな小麦を開発。2年間の農場試験の結果、「遊離アスパラギン」の濃度が大幅に低減できたことが明らかになった。

 

「遊離アスパラギン」が59%減少

 

研究者たちは、「CRISPR」を使い、「遊離アスパラギン」を標的に遺伝子編集を行い、さらに関連する遺伝子を減らした小麦も作り出したという。

 

そして「遊離アスパラギン」を標的にしたバージョンでは、穀粒中の「遊離アスパラギン」が59%減少。関連する遺伝子を編集したバージョンでは、最大93%減少し、どちらも収穫量は減少しなかったそうだ。

 

一方、通常の方法、つまり遺伝子編集をせず、化学物質に曝して自然発生的に作られた小麦でも、「遊離アスパラギン」が50%減少したが、収量は約25%減少したという。この原因はおそらく、ゲノムの他の部分で意図しない突然変異が生じたためと考えられている。

 

ロザムステッド研究所の主任研究員であるNavneet Kaur博士は、次のように述べている。

 

「今回の研究は、CRISPR技術が作物遺伝子に、正確かつ有益な変化をもたらす力を持っていることを示しています。適切な規制枠組みがあれば、農業と食料システムに大きな恩恵をもたらすことができるでしょう」

 

イギリスは、EU離脱によって遺伝子組み換え食品に関する規制が適用されなくなったため、現在は遺伝子編集研究の世界的な拠点の1つになっている。(了)

 

出典元:The Guardian:Scientists develop gene-edited wheat that can make toasted bread less carcinogenic(4/7)

参考:農林水産省

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