米最高裁、トランプ氏による出生地主義廃止の大統領令を違憲と判断

アメリカの最高裁判所は6月30日、トランプ大統領が出生地主義に基づく市民権を廃止しようとした試みを却下した。
最高裁の判事、6対3で違憲判決
そもそもアメリカでは1世紀以上にもわたって、国内で生まれた子供は、自動的にアメリカ市民になるという、出生地主義をとってきた。
しかしトランプ大統領は、不法滞在者や一時滞在者の親から生まれた子供に、アメリカの市民権を与えるべきではないと主張。大統領就任初日に、出生地主義に基づく市民権を廃止する大統領令を発表した。
だが6月30日、アメリカの最高裁は6対3で、トランプ氏の大統領令が違憲であるとの判決を下した。
市民権を与えることは統治すること
1868年に批准された合衆国憲法修正第14条は、「アメリカで出生または帰化し、その管轄権に服する者は、すべて市民である」と規定している。
今回、出生地主義に改めて賛成した判事は、ジョン・ロバーツ最高裁長官とエイミー・コニー・バレット判事、ソニア・ソトマイヤー判事、エレナ・ケーガン判事、ケタンジ・ブラウン・ジャクソン判事、ブレット・カバノー判事とされている。
一方、出生地主義に反対した判事は、サミュエル・アリート判事とクラレンス・トーマス判事、ニール・ゴーサッチ判事だ。
アリート判事は、今回の判断は「重大な誤り」であり、「非人道的な結果」を招くという恐れから下されたものだと批判。トーマス判事とゴーサッチ判事はともに、憲法も連邦法も「アメリカに居住していない者に、市民権を保障していない」と主張した。
しかしロバーツ最高裁長官は、「アメリカの領土で生まれた子供は、アメリカの管轄権に服従することになり、これは、アメリカがその領土内の人々を統治する権限を指す」と述べた。
カバノー判事は、連邦法が出生地主義による市民権を広く保障していることは明らかだとしつつも、「議会が(新たな)法律を制定しない限り、大統領令は連邦法に違反する」と、微妙な立場をとった。
トランプ氏、新たな法律の制定を要求
トランプ大統領は、このカバノー判事の論理を捉え、連邦議会に対し、新たな法律を制定して出生地主義による市民権を制限するよう促したという。
ただそのような法律が成立しても、出生地主義を基にした市民権を保障している憲法に、再び違反するのではないかと考えられている。
一方、下院議長のマイク・ジョンソン氏は、裁判所の決定に「失望した」とし、連邦議会が憲法改正を追求する可能性を示唆した。
ただ憲法改正案が可決されるには、両院で3分の2以上の賛成と、州の4分の3の批准が必要になるという。(了)
出典元:ABC News:Supreme Court rejects Trump’s attempt to end birthright citizenship(7/1)

























