英次期首相の有力候補、ガザ地区でのイスラエルの行動を「ジェノサイド」と明言せず

イギリスのスターマー首相は6月22日、辞任会見を行ったが、それに伴い次期首相の有力候補として、アンディ・バーナム氏が注目を集めている。
労働党の党首選に立候補
グレーター・マンチェスターの市長だったバーナム氏は、6月18日の補欠選挙で下院議員に当選し、次の労働党の党首、そして次期首相の有力候補と考えられている。
しかしバーナム氏は6月18日、英紙「ガーディアン」のインタビューで外交政策について質問を受けた際、イスラエルによるガザ地区での行為を「ジェノサイド(大量虐殺)」と断言することを拒否した。
バーナム氏は、イスラエルが「ジェノサイド」を行ったとは明言せず、「グレーター・マンチェスター市長という立場から、これほど重大な事柄を判断することはできない」と説明したという。
ただ同時に「破壊に関して、ガザで起きていることは不釣り合いな性質だと懸念しており、徹底的な調査と責任追及が必要だ」とも述べたそうだ。
内閣の元メンバーはイスラエルを非難
同じく労働党に所属し、先日保健福祉大臣を辞任したウェス・ストリーティング氏も、イスラエルを「ジェノサイド」や戦争犯罪で非難したことはない。
しかし昨年末、ストリーティング氏は非公式に、イスラエルが「我々の目の前で」戦争犯罪を犯しており、イスラエル政府は「民族浄化の言葉」を使っていると、非難していたという。
それに比べて、今回のバーナム氏の発言は、非常に控えめだと言える。しかもバーナム氏は以前、自分が首相になったら最初の訪問国は、イスラエルになると述べていたそうだ。
An old clip has resurfaced showing Andy Burnham saying Israel would be his first overseas visit if elected UK PM. The Makerfield MP is under scrutiny amid expectations he could challenge for Labour leadership.
Here’s what he has said about Israel-Palestine. pic.twitter.com/8vpB2HaHVA
— Al Jazeera English (@AJEnglish) June 21, 2026
英国内の親イスラエルロビー団体
イギリス国内には、イスラエルのロビー団体が多くあり、これらの団体のほとんどはパレスチナ問題の二国家解決を支持しているという。
「Conservative Friends of Israel (CFI)」は、前与党の保守党とイスラエルとのつながりを強めようとしており、逆に「Labour Friends of Israel (LFI)」は、現与党の労働党との絆を強化しているという。
また「Liberal Democrats Friends of Israel」は自由民主党と、「Northern Ireland Friends of Israel」は北アイルランドとの関係を深めようとしているそうだ。
他にもヨーロッパとイスラエルの関係強化を狙う「Elnet UK」や、イスラエルのネタニヤフ首相とビジネスマンのAlbert Dadon氏によって共同設立された「Australia-Israel Cultural Exchange (AICE)」という団体もある。
「Yachad」はイギリスに拠点を置く、親イスラエルの慈善団体で、「European Jewish Association」は、ヨーロッパにある650以上のユダヤ人コミュニティを代表しているという。
さらにビジネスリーダーやイスラエルを支持する地域住民などの個人が、イギリスの議員に献金しているケースもあるそうだ。
与党や野党の政治家へも献金
以前発表された報告書によると、与党・労働党への献金の一部は「Labour Friends of Israel (LFI)」から提供され、スターマー内閣の閣僚7名がイスラエル訪問のために、「LFI」からの資金提供を受け入れたという。
スターマー首相自身は資金提供を受けていないものの、「LFI」が主催するイベントで講演を行ったそうだ。
さらに、親イスラエル派ロビイストでもあるイギリスの大富豪、トレバー・チン氏はスターマー陣営の資金提供者の1人だったとされ、2020年の労働党党首選にもスターマー氏を支援し、選挙運動に5万ポンド(約1100万円)を寄付している。
労働党の指導者以外にも、親イスラエルのロビー団体や個人は、保守党の議員などの選挙運動資金や、イスラエル訪問費用を支援しているという。
そしてこのようなロビー団体は、イギリスの政治家への資金提供や支援に加え、イスラエルに反対する発言をした政治家を、所属政党や内閣から追放する役割も果たしてきたそうだ。
このような政治におけるイスラエルの影響力に関して、イギリス議会は調査の必要性について議論する予定となっている。
この議論は11万8000人以上の署名を集めた請願を受けて開始され、議会のYouTubeチャンネルで配信される予定だという。(了)
出典元:Aljazeera:British parliament to debate Israeli influence on UK politics: What we know(6/22)
出典元:Middle East Eye:Labour contender Andy Burnham declines to say Israel has committed genocide in Gaza(6/5)


























