米・FDAが、mRNAで作られたインフルエンザのワクチンを承認

アメリカの食品医薬品局(FDA)は、メッセンジャーRNA(mRNA)を基盤とした、新しい季節性インフルエンザ・ワクチンを承認した。
「モデルナ」が開発
このワクチンを開発した「モデルナ」は8月5日、FDAのワクチン諮問委員会により、このワクチンが季節性インフルエンザの予防に、安全かつ効果的であると全会一致で承認されたと発表した。
このワクチンは「mFlusiva(mRNA-1010)」と呼ばれ、50歳以上の人を対象に、処方することが承認されたという。
COVID-19に対するmRNAワクチンと同様に、このワクチンは遺伝子分子であるmRNAを用いて、体内の細胞に指示を伝達。インフルエンザ・ウイルスの表面にあるタンパク質「Hemagglutinin(HA)」を生成するよう、体内の細胞に促すそうだ。
そして「mFlusiva」の接種後、免疫系は標的となるインフルエンザ株の「HA」タンパク質を認識し、ウイルスが細胞に感染するのを阻止するという。
迅速にワクチンを製造できる
「HA」タンパク質は従来のインフルエンザ・ワクチンが標的とするタンパク質と同じで、ウイルスはこれを使って、ヒトの細胞に侵入するという。
「HA」タンパク質は、ウイルスが増殖・拡散するにつれて非常に急速に変異するため、従来のインフルエンザ・ワクチンにとって大きな課題となっていたそうだ。
しかも、既存のワクチンは製造に数カ月を要するため、製造されたワクチンが、その年に流行するインフルエンザ・ウイルスの株と、必ずしも完全に適合するとは限らない。
一方で、「mRNA」ワクチンの利点は、非常に迅速に製造できるため、そのシーズンの流行株に、より適合したワクチンを提供できるという。
4万人を対象とした臨床試験を実施
このワクチンの承認のため、2024~2025年には50歳以上の4万人以上を対象とした、後期臨床試験が行われたという。
被験者は、その年の北半球でのインフルエンザのシーズン中に、ワクチン接種を受け、半数にはmRNAワクチン、残りの半数には従来のインフルエンザ・ワクチンの標準用量が接種された。
そして4万人の被験者のうち、約970人がインフルエンザに罹患。mRNAワクチン群では2%、標準ワクチン群では2.8%となり、mRNAワクチンは従来のワクチンよりもインフルエンザ罹患に対する予防効果が26.6%高かったという。
また「mFlusiva」は、3つのインフルエンザ亜型すべてに対して優れた予防効果を示し、65歳以上の被験者では、全体として27.4%の高い予防効果を示したそうだ。
mRNAワクチン群では、標準ワクチン群と比較して、注射部位の痛みや頭痛、倦怠感、体の痛みなどの副作用を経験した人が多く見られたが、これらの副作用はほとんどが短期間で、軽度から中程度だったという。(了)
出典元:Livescience:FDA approves first mRNA vaccine for seasonal flu(8/6)

























