イスラエルが再び停戦を破り、レバノン南部を空爆、ガザ地区でも2日間で90人以上が死亡

イスラエル軍は4月27日、再び停戦協定を破り、レバノンの首都郊外を空爆した。
ベイルート南部の郊外を空爆
イスラエルは昨年11月、レバノンと停戦協定を結んだが、27日にはそれを破り、首都ベイルート南部の町、Dahiyehを空爆した。
この攻撃で複数の建物が被害を受け、窓ガラスが吹き飛び、複数の車も損傷し、市民の間ではパニックが広がったという。
この攻撃の前にイスラエル軍は警告を行っており、死者は出ていない。またイスラエル軍はその後、「ヒズボラの精密ミサイルを保管していた施設を攻撃した」と明らかにした。
しかし、その主張を裏付ける証拠は提示されていない。
イスラエル軍は今年の3月や4月にも停戦を破り、度々レバノンを攻撃している。レバノンのJoseph Aoun大統領は、停戦を仲介したアメリカとフランスに対し、「責任を果たし」、イスラエルに違反行為をやめさせ、圧力をかけるよう求めた。
Israel just bombed a residential neighborhood in Beirut, violated Security Council resolution SCR 1701, the ceasefire agreement, and international law with absolutely no consequences.
This is another war crime and the International Criminal Court remains silent. pic.twitter.com/gPlssIB6zE
— Mohamad Safa (@mhdksafa) April 27, 2025
‼️Aftermath of the Israeli airstrike on Beirut’s southern suburb pic.twitter.com/IPWCBAOXij
— Pheebs (@galpalpheebs) April 27, 2025
イスラエル領内にもドローンが飛来
一方、イスラエル領内にも27日には、ドローンが飛来。イスラエル軍は、東から飛来したドローンを撃墜したと発表したが、どこから発射されたのか、は明らかにしていない。
イエメンの「フーシ派」は、これまでもガザ地区への攻撃を止めさせるため、度々イスラエルに向けて、ミサイルやドローンを発射している。
そのイエメンに対しては、アメリカ軍が攻撃を継続しており、「サバ通信」は27日、北部アムラン州のハルフ・スフヤーン地区で、2回の攻撃があったと報じている。
また4月28日には、アメリカ軍がイエメンの首都サナアやSaada県へも攻撃を行ったという。
これに対し、イエメンの「フーシ派」は28日、報復として、アメリカ海軍の空母「ハリー・S・トルーマン」とその他の艦艇を標的に、多数の巡航ミサイルや弾道ミサイル、ドローンを発射した。
「フーシ派」は、これらの攻撃により、空母「ハリー・S・トルーマン」が撤退し、紅海の北部への移動を余儀なくされたと主張している。
ガザ地区では2日間で90人以上が死亡
ガザ地区でもイスラエル軍の容赦のない攻撃が続いており、4月28日には北部のガザ市や南部のハンユニスが標的にされ、特にガザ市では2回のドローン攻撃が行われた。
最初のドローン攻撃では、繁華街が標的にされ、12人のパレスチナ人が死亡。その中には4人の子供が含まれていたという。
また2回目のドローン攻撃では、10人のパレスチナ人が死亡し、数十人の負傷者がアル・シファ病院へ運ばれたそうだ。
北部のジャバリアでも、住宅が攻撃を受け、1家族のうち8人が殺害された。
南部のハンユニスでも、イスラエル軍の空爆により、少なくとも8人が死亡。4月28日には、ガザ地区全域で少なくとも44人のパレスチナ人が殺害されたという。
Circulating footage shows Israeli soldiers documenting themselves throwing grenades at displaced Palestinians’ tents inside a UN school in Gaza. pic.twitter.com/rQADIZlhGT
— Quds News Network (@QudsNen) April 28, 2025
4月27日には中部のDeir el-Balahで2回連続して、イスラエル軍の戦闘機による空爆が行われたという。
最初の攻撃では町の西側の農地に対して行われ、犠牲者は出ていない。しかし2回目の攻撃は人口密集地に対して行われ、アル・アクサ病院の医療関係者は、パレスチナ人4人が死亡し、地元の民間人と救急車が他の負傷者を搬送したと述べている。
また南部のハンユニスではイスラエル軍のドローンによるミサイル攻撃が行われ、仮設テントにいた子供3人と女性1人が死亡したそうだ。
南部のラファや北部のガザ市東部でも攻撃が続けられ、27日の夜明け以降、少なくとも50人のパレスチナ人が殺害された。(了)
出典元:Aljazeera:LIVE: Israel bombs Lebanon’s Beirut, kills dozens in Gaza(4/27)