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世界最大の二酸化炭素除去装置が稼動開始:アイスランド

世界最大の二酸化炭素除去装置が稼動開始:アイスランド
Twitter/Adam Vaughan

アイスランドで、二酸化炭素を吸収する世界最大の装置が、先日稼動を開始した。

 

二酸化炭素を鉱物に変える

 

その巨大な装置の名前は「オルカ(Orca)」。これはアイスランド語で「エネルギー」を意味するという。

 

この装置は、輸送用コンテナのような2つの金属製の箱を組み合わせた4つのユニットで構成されており、空気中にある二酸化炭素を吸い込み、それを最終的には地下の岩の中に注入し、鉱物化させることができるそうだ。

 

このプラントを作ったのはスイスの企業「Climeworks」とアイスランドの企業「Carbfix」。これらの企業によれば、「オルカ」は大気中にある二酸化炭素を、毎年4000トンも吸収できるという。

 

ファンを使って空気を取り込む

 

米国環境保護庁は年間4000トンという量は、自動車約870台分の排出量に相当すると述べている。

 

「オルカ」はまず、ファンを使って二酸化炭素を吸い込み、それをフィルター素材のついた収集器へ送り込むという。

 

やがて二酸化炭素がフィルターに溜まると、収集器を閉じ、温度を上げてフィルター素材から二酸化酸素を放出。これにより高濃度のガスを回収することができるそうだ。

 

さらに二酸化炭素は水と混ぜ合わされ、深さ1000mにある玄武岩層に注入され、鉱物化されるとか。この時、二酸化炭素は、玄武岩層に含まれるカルシウムなどと化学反応を起こし、石灰石のような炭酸塩鉱物に変化すると考えられている。

 

二酸化炭素の回収・貯留の推進派は、この技術が気候変動対策の主要な道具になると考えているが、同時にこの技術はまだ非常に高価であり、大規模に運用するには数十年かかるだろうといった批判もある。(了)

 

 

出典元:The Guardian:World’s biggest machine capturing carbon from air turned on in Iceland(9/9)

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