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ロシア兵、コンサートへの参加を拒んだウクライナ人の音楽家を射殺

ロシア兵、コンサートへの参加を拒んだウクライナ人の音楽家を射殺
Facebook/Olena Vanina

ロシア軍が支配するウクライナ南部のヘルソン州で、コンサートへの参加を拒んだ音楽家が射殺された。

 

ヘルソンの自宅で射殺される

 

その音楽家とは、ウクライナ人の指揮者であるユーリー・ケルパテンコ(Yuriy Kerpatenko)氏だ。

 

ウクライナの文化省によれば、ケルパテンコ氏は、ロシア軍がヘルソンで主催した『平和的生活の改善』を意図したコンサートへの参加を拒否したという。

 

10月1日のコンサートには、「ギレヤ室内管弦楽団」が出演する予定だったが、この楽団の首席指揮者を務めるケルパテンコ氏は、ロシア軍との協力を断固拒否したそうだ。

 

このためケルパテンコ氏は自宅で、ロシア軍兵士により射殺された。

 

Twitter/KyivPost

地方検察庁は正式な捜査を開始

 

ケルパテンコ氏は、今年の5月まで自身のFacebookに、(ロシア軍に対する)反抗的なメッセージを投稿していたという。

 

また彼の家族は、ヘルソン地域の外におり、9月以来ケルパテンコ氏も連絡が取れなくなっていたそうだ。

 

ウクライナ側のヘルソン地方検察庁は、意図的な殺人と組み合わせた戦争法や法律違反に基づき、正式な捜査を開始した。

 

「奴隷にした国の文化の破壊」

 

『死とペンギン』の著者であるウクライナ人の小説家、アンドレイ・クルコフ氏は、次のように語っている。

 

「ウクライナで殺害された芸術家のリストに、ユーリー・ケルパテンコの名前が加えられることになる。ロシアはウクライナの領土を占領しようとしているだけでなく、ウクライナのアイデンティティ、その重要な一部であるウクライナ文化を執拗に破壊していると、私はますます思うようになりました」

 

ウクライナ人作家のオレクサンドル・ミケド氏も、次のように述べている。

 

「ロシアは占領地にソビエト連邦を再建しようとしている。ありもしないものを再構築するために。ソ連の政策の重要な要素の1つは、奴隷にした国の文化の破壊であった。文化人の殺害、図書館の追放、国語の禁止。現代の占領者は、この戦略を完全に踏襲している。文化、スポーツ、教育を破壊している。そして我々の領土が占領された時、我々は何十、何百もの恐ろしい物語を知ることになるのです。これは破壊と英雄的な抵抗の物語です」(了)

 

出典元:The Guardian:Russian troops kill Ukrainian musician for refusing role in Kherson concert(10/16)

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