NASAよりも早く、学生らが作ったローバーが月へ到達か?
アメリカでは現在、学生らが作った月面探査車(ローバー)が、月へ打ち上げられようとしているという。
大学生、教員、卒業生が3年がかりで開発
そのローバーとは「Iris(アイリス)」だ。これはペンシルベニア州にあるカーネギーメロン大学の学生、教員、卒業生が3年がかりで開発した月面ローバーとされている。
そして現在、「Iris」は、NASAと民間宇宙産業が提携する「Commercial Lunar Payload Services(CLPS)」プログラムの一環として、月へ運ばれることになっているという。
「Iris」は「United Launch Alliance」のバルカン・ケンタウルス・ロケットに搭載され、今年の5月4日にフロリダ州のケープカナベラル宇宙軍基地から打ち上げられる予定となっている。
重さは2キロ、靴箱ほどの大きさ
「Iris」は初めて大学生が開発した自律型ローバーで、重さは2キログラム。靴箱ほどの大きさのシャーシを持ち、ホイールはカーボンファイバー製で、最も小さくて軽い作りになっている。
月での60時間に及ぶミッションでは、地理的な調査のために月面の画像を撮影。また、自分の位置に関するデータを地球に送信することで、新しい位置特定技術のテストも行う予定だという。
またカーネギーメロン大学のチームは、「Iris」に加えて、詩や音楽、写真、小物などを詰め込んだ小さなタイムカプセル「ムーンアーク」と呼ばれるアートインスタレーションを、月に送る予定だとしている。
当初の打ち上げが延期に
実は「Iris」は当初、2021年末から2022年初頭の打ち上げが予定されていたが、NASAの月探査計画の遅延により、今年の5月に延期されたという。
またNASAの探査ローバー「バイパー」は来年打ち上げを予定していることから、成功すれば学生のローバーが先に月へ到達することになる。
カーネギーメロン大学の研究員で、このミッションの指揮を執るRaewyn Duvall氏は声明で「何百人もの学生がIrisに何千時間も注ぎ込んできました。私たちはこのミッションに向けて何年も取り組んできたのです」と述べている。(了)
出典元:Livescience:Students set to land first US rover on the moon — before NASA(4/8)