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コロナ禍のロックダウンの影響は、月にまで及んでいた可能性

コロナ禍のロックダウンの影響は、月にまで及んでいた可能性
photo AC

世界を混乱に陥れた新型コロナのパンデミック。その影響は地球上にとどまらず、月にまで及んでいたことが最近の調査で分かった。各国でロックダウンが実施されていた期間、月面の温度が顕著に下がっていたのだ。

 

月面温度の異変

 

インド物理学研究所(グジャラート州アフマダーバード市)の研究者たちは、NASAの月周回無人衛星「ルナー·リコネサンス·オービター(LRO)」が観測した月面温度のデータを詳しく調べた。

 

2009年に打ち上げられたこの無人衛星は、7つの赤外線サーマルカメラで月面各地点の温度を記録し続けている。研究者たちは、(月の表側の)地形の影響を受けにくい平坦な6カ所について、2017年から2023年にかけての温度変化を見ていった。

 

すると、2020年4月と5月に奇妙なことが起こっていたという。6カ所全てで温度が顕著に下がっていたのだ。測定は絶対温度 K(ケルビン)で行われており、4月、5月だけが他の期間より8K~10K低くなっていた。(ケルビンの尺度幅は摂氏と同じで、温度差は8℃~10℃ともいえる)

 

Monthly Notices of the Royal Astronomical Society

ロックダウンで地球の放射熱が減った?

 

新型コロナの世界的な第1波は2020年3月に来た。当時ワクチンはなかったため、各国は厳格なロックダウンを実施。メディアによれば、4月の時点で世界人口の約半数がステイ·ホームを強制されたとのこと。

 

こうしたロックダウンが、人の生産活動や交通機関を停止させ、その結果、2020年4月には地球全体のCO2排出量が約17%減少した。

 

CO2などの温室効果ガスは、太陽光を受けて温まると同時に、その熱を地球外へ放射してもいる。研究者たちは、ロックダウンでCO2が減ったため、放射される熱も減り、それを受けていた月表面の温度も下がったのだろうと考えている。

 

ただ、今回の調査結果だけでは、地球のCO2の量と月面温度に関連があると言い切ることはできない。さらなるデータが必要だと研究者たちは述べている。(了)

 

出典元:New York Post:COVID lockdowns had ‘measurable impact’ on the moon — and scientists say they know why(10/2)
出典元:MailOnline:Our moon went through dramatic physical change during the Covid pandemic – here’s why(10/2)
出典元:Monthly Notice of the Royal Astronomical Society:Effect of COVID-19 global lockdown on our Moon
出典元:Metric Conversions

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