天安門事件の犠牲者を追悼していた中国の反体制活動家が台湾へ、米などに亡命を希望
中国の反体制活動家が台湾へ渡り、亡命するために助けを求めているという。
台湾の空港内にいることを告白
その反体制活動家とは、Chen Siming(陈思明)さんだ。
彼はこれまでも毎年、1989年に北京の天安門広場で起きた民主化デモへの弾圧で、犠牲になった人々を追悼してきたという。
しかし今年の7月22日に中国を出国。最近公開した動画において「中国の政治的迫害から逃れるために、(台湾の)桃園国際空港のトランジット・エリアにいる」と語ったそうだ
そして今後は、アメリカかカナダに亡命したいと考えており、助けを求めているという。
#陈思明:中国公安维稳我的手段越来越残酷疯狂。他们不履行法律程序随心所欲传唤、拘留我、抢我的手机还要给我做精神病检查鉴定。我不堪继续忍受人格的摧残,尊严的蹂躏和人身的威胁,于7月22日逃离中国。
9月22号我终于再次来到自由之岛 #台湾。我将被迫非法滞留在此。陈思明紧急呼吁朋友们关注! pic.twitter.com/oPd68fWr4F— 民生观察 (@minshengguancha) September 21, 2023
「個人的な尊厳が犯された」
Chenさんは、公開した動画において、次のように語っている。
「私に向けられた中国警察の(治安を)安定・維持させる方法は、ますます残酷で、狂気を帯びてきている。彼らは法的な手続きを踏まずに私を勝手に拘束し、携帯電話を取り上げ、精神鑑定まで行った。私の個人的な尊厳が犯され、名誉が踏みにじられ、身体が脅かされることを、私はもはや受け入れ続けることはできません」
現時点で、Chenさんがどのように中国を脱出し、台湾へたどり着いたのかは、明らかになっていない。
ただChenさんによれば、中国の治安当局は毎年、主に天安門事件の追悼式のたびに、彼を拘束してきたという。
拘留される期間は、最短で1週間、最長で15日間だったそうだ。
今年の5月、中国湖南省の当局は、天安門事件の犠牲者を追悼するためにSNSに投稿したChenさんを拘束。彼はその後、拘置所へ収容されたという。
转:因 #六四 临近,北京时间5月27日上午 #陈思明 被株洲国保带走强制监视旅游,没能配合删除推文,被威胁将判刑。他在中午带回芦淞分局做笔录前发出信息,疑似情节严重望友人联系张磊律师。下午探视朋友传来信息,陈思明已被关430拘留所,拘留多久不详 pic.twitter.com/n4FdThQjGN
— Jane Wang 王剑虹 #FreeZhangZhan (@changchengwai) May 27, 2023
今後の成り行きは不透明
中国の人権擁護団体「Chinese Human Rights Defenders」は今回、台湾政府に対しChen さんの亡命を支援するよう求め、次のように述べた。
「もしChen 氏が中国に戻されれば、拘束、拷問、その他の不当な扱いを受け、不公正な裁判を受けるという、ほぼ確実なリスクに直面することになります」
ただ台湾には正式な難民政策がなく、中国が安全保障上の圧力を強めているため、香港からの移住希望者にも、永住権を与えることができずにいるという。
Chenさんはリスクを承知の上で、台湾に来たとし、次のように述べている。
「私は違法に台湾に入国しましたが、台湾は民主的で自由な社会であり、国です。たとえここで、刑務所に置かれることがあっても、安全に感じられるでしょう」(了)
出典元:The Guardian:Chinese dissident who held Tiananmen Square vigils flees to Taiwan(9/22)