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正解率は90%以上、嘘をつく人間の微細な表情を読み取れるAIが開発される

正解率は90%以上、嘘をつく人間の微細な表情を読み取れるAIが開発される
flickr_A Health Blog

これまで犯罪捜査などで容疑者の嘘を見抜く場合は、「嘘発見器」などが用いられてきた。しかしこれからは人工知能が、この役割も果たすかもしれない。

 

というのも先日、高い確率で人間の嘘を見抜くAIがアメリカの研究者らにより開発されたからだ。

 

人間の微細な表情を読み取り判断

 

このAIを開発したのはアメリカのMaryland大学とDartmouth大学(College)の研究者たち。彼らは「Deception Analysis and Reasoning Engine (DARE)」と呼ばれる人工知能(AI)システムを開発したという。

 

これは人間の微細な表情を読み取れる分類システムで、これを使うことで嘘を言っているのかどうかを高い確率で判断させることに成功したそうだ。この研究に携わったZhe Wu博士は、次のように語っている。

 

「私たちのシステムは特徴が見分けにくいビデオ画像で訓練を行い、人間の微細な表情を予想できる分類法を用いました」

arXiv

人間が81%に対し、AIは92%

 

このAIを開発するために研究者らは、実際の裁判所に出廷した複数の被告人らのビデオを使用。これを基にAIにトレーニングを行ったとされている。

 

具体的には人間が嘘をつく時に眉をひそめたり、眉を上げたり、頭を傾けたり、口の端を上げたり、唇を突き出したりといった5つの微細な表情を、AIが認識できるようにトレーニングを行ったという。

 

その上で実際の裁判で撮影された15本のビデオ映像をAIに見せ、その後被告のうち誰が嘘をついていたのかをテストを行ったそうだ。

arXiv

その結果、「DARE」は人間の微細な表情の92%を見抜くことに成功したという。

 

また同じテストを人間に行ったところ、微細な表情を見分けることが出来た割合は81%にとどまったとされている。

 

このことから研究者らは、このAIシステムの方が人間よりも嘘を見抜ける可能性が高いと評価したそうだ。

 

音声や言語の要素を加えればさらに改善

 

このAI開発を率いた研究者たちは、次のように語っている。

 

「私たちが作った視覚システムは高いレベルと低いレベルの映像による視覚的特徴を利用しているが、これらは人間に比べてよりよく嘘を予想することにおいてとても良い成績を収めました。さらに音声や言語などの補足的な情報を加えれば、嘘を予想する能力はさらに改善するでしょう」

 

研究者らによれば、これらのAIシステムがなるべく早く裁判所で使用されることを願っているという。(了)

 

出典元:MailOnline:The robot that knows when you’re lying: Scientists create an AI that can detect deception in the courtroom (and it’s already ‘significantly better’ than humans)(12/20)

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