英でヒトの臓器や組織を培養、新薬開発による動物実験を減らす

イギリスでは、医薬品の試験方法を改善し、ヒトの臓器のミニチュア版を培養するプロジェクトが進められている。
「動物実験の数が確実に減少」
このプロジェクトは、ケンブリッジ幹細胞研究所などを中心に行われており、研究者らは10年以上にわたり、「オルガノイド」と呼ばれるヒトの臓器の微小な塊を培養してきたという。
研究者らは、「オルガノイド」を利用して、患者ごとに病気の現れ方がどう異なるかを調査し、個々の患者の病態の根本にある特性に合った、最適な治療法を特定しようとしているそうだ。
またこの方法は、従来行われてきた動物実験から、ヒトの組織を直接用いた、より正確で信頼性の高い試験方法への移行の試みとなる。
ケンブリッジ幹細胞研究所のマティアス・ジルバウアー教授は、次のように述べている。
「これは、将来的に使用される動物の数や、新薬開発の方法に大きな影響を与えるでしょう。近い将来や予見可能な将来において、動物実験が完全になくなると言っているわけではありません。これらの新しいモデルでは、検証できない課題も依然としてあるからです。しかし動物実験の数が、確実に減少することは間違いありません」
「マウスでは知ることはできない」
実は、動物実験を通過した薬剤の90%以上が、ヒトでの臨床試験で失敗しており、動物実験の有用性に疑問が投げかけられてきたという。
そのため現在、アメリカやヨーロッパの医薬品規制当局は、動物実験に代わる利用可能な手法がある場合には、それらを採用するよう推奨している。ジルバウアー教授も、次のように指摘している。
「多くのヒトの疾患は、動物では発生しないか、あるいは動物がヒトではないために、発生の仕方が異なります。我々が求めているのは、どの治療法が、どの患者に有効かを示してくれる試験やモデルであり、マウスではそれを知ることはできません」
研究者らは、より広範な部門の科学者と協力し、標準化され検証済みの「オルガノイド」のライブラリーを構築。これらは学術機関や製薬業界に提供され、新薬を臨床現場へ届けることに役立てられるという。
このプロジェクトは、キア・スターマー政権が策定した、研究における動物使用の削減を加速させる計画の一環とされている。(了)
出典元:The Guardian:‘A mouse can’t tell us what works’: UK scientists to grow miniature human organs for drug testing(8/12)


























