ハッブル宇宙望遠鏡により、土星の南極に多角形の大気の波を発見

NASAとESAのハッブル宇宙望遠鏡による観測で、土星の南極を取り囲む場所に、多角形の大気の波が存在することが明らかにされた。
2024年にハッブル宇宙望遠鏡が撮影
この大気の波は、それまでの観測では見つからなかったが、2023年にハッブル宇宙望遠鏡の視界に現れていたという。
それは10個の頂点を持っており、研究者たちはこの大気の波を、「Decagon(10角形)」と呼んでいるそうだ。
2024年にハッブル宇宙望遠鏡で撮影された最初の画像で、スペイン・バスク大学の研究者であるアグスティン・サンチェス=ラベガ氏と、アマチュア天文家のトレバー・バリー氏、ジャン=ポール・オジェ氏は、土星の南極に沿ってわずかに波打つ帯状の構造を発見したという。
そして2025年に地上から撮影された追加画像により、この構造が10角形をしていることがさらに強く示唆された。
また研究者たちは2023年まで遡る、数年分のハッブル宇宙望遠鏡の観測データを統合し、今回大気の波を確認したそうだ。

2017年から2023年に形成か?
実は、2017年から2023年の間は、土星の南極が地球から遠ざかるように傾いていたため観測できなかったという。しかし土星の南極が地球から、徐々に見えるようになったことで、この奇妙な構造が確認された。
研究者たちは、この奇妙な大気現象が、2017年から2023年の間に形成された可能性があると推測している。というのも2004年から2017年にかけて、土星を周回したNASAの探査機「カッシーニ」の画像にも、この10角形が確認できなかったからだ。
そして土星の南半球で、このような大きな規則的な形状のジェット気流のパターンが観測されたのは、今回が初めてとなる。

土星の北極に6角形の雲
実は1980年代に、NASAのボイジャー探査機2機が、土星の北極付近で、6角形の雲を観測していた。
しかし今回の10角形の大気の波は、それよりも大きく、すでに1辺が1万6700kmを超えており、土星で新たな大気現象が発生し、さらにこの構造が進化している可能性もあるという。
今回の研究論文の共著者であり、NASAゴダード宇宙飛行センターのOPAL主任研究員であるエイミー・サイモン氏は、次のように述べている。
「土星の南半球で、このような現象はこれまで見たことがありません。北半球の六角形は、40年以上観測を続けてきましたが、常に存在していました。今回の特徴はそれとは異なり、強まっているように見えます。これは巨大な大気パターンが形成される様子を観察できる、貴重な機会を与えてくれているのです」
この波状構造は土星の強力なジェット気流の中に位置し、大気の複数の層を貫通していることから、垂直方向に広がる大気構造であることが示唆されている。
今回の研究結果は、9月2日に科学誌「Science Advances」に掲載された。(了)
出典元:NASA:NASA’s Hubble Tracks New Decagon Encircling Saturn’s South Pole(9/2)
出典元:ABC News:Scientists find 10-sided wave pattern swirling in the clouds over Saturn’s south pole(9/3)


























