すぐに止まらなかったという理由で、警察に車をひっくり返された女性が提訴

YouTube/paradigm.

アメリカの警察はやることが違う。指示に従ってすぐに停車しなかったという理由で、妊娠中の女性が運転していた車にPITマニューバ（PIT maneuver）と呼ばれる特殊なテクニックを使い、横転させるどころか完全に裏返しにしてしまった。その後出産を無事に終えた女性は、先月中旬、パトカーを運転していた警察官を提訴した。

すぐに止まらなかった女性

この事件そのものは、昨年7月9日に起こった。複数の海外メディアが伝えるところをまとめると、事のあらましは次のようになる。

アメリカ・アーカンソー州の女性Nicole Harperさん（38才）は、その日の夜、自宅に帰るため、SUVで州間高速道路を走っていた。ジャクソンビル市付近にさしかかった時、後方にサイレンを鳴らしたパトカーが現れ、停車を命じられた。彼女は制限速度70マイル／時（約112km/時）のところを、84マイル／時（約135km/時）で走っていた。

Harperさんはすぐに速度を60マイル／時（約96km/時）に落とし、3車線道路の一番端の車線に寄り、ハザードランプを点滅させたが、止まらずに走り続けた。理由は、路肩の幅が狭くなっていて安全に止まれるスペースがなかったからだ、と彼女は言っている。次の出口で止まるつもりだったそう。

その後、パトカーを運転していたRodney Dunn警察官はPITマニューバを実行。Harperさんの車はコントロールを失い、裏返しになった。パトカーのドライブレコーダーが捉えた映像を、Harperさんの弁護士が公開し、ネット上で拡散されている。