ロシア軍の攻勢により、ウクライナ軍がハルキウ州の複数の地域から撤退
ロシア軍が国境を越えて攻勢を強める中、ウクライナ軍は北東部、ハルキウ州の複数の町から撤退したと認めた。
ボウチャンスクなどから撤退
ロシア軍は先週末から、国境を越えて、ウクライナ北東部のハルキウ州に進軍。3万人の兵力で攻勢をかけているという。
ウクライナのゼレンスキー大統領は、すでにこの地域に援軍を送ると表明しており、5月14日の演説でも、「結論を出すのは時期尚早だが、状況は制御されている」と述べていた。
しかしウクライナ軍は、14日の遅くに、「兵士の命を救い、損失を避けるため、ハルキウ近郊の町、ルキャンツィ(Lukyantsi)とボウチャンスクの地域から部隊が後退した」と発表した。
すでに8000人の住民が避難
特に激しい戦闘が行われたのは、ロシア国境から3マイル(約4.8km)、ハルキウ市から31マイル(約50km)離れたボウチャンスクの町とされ、すでに一部のロシア軍の歩兵部隊が街に入ったとの情報もある。
また5月10日にロシア軍が急襲して以来、ボウチャンスクやロシア国境付近の地域からは、すでに約8000人の住民が避難しているそうだ。
This is how the Ukrainian town of Vovchansk looks now, towards which Russia is conducting an offensive
Ukraine’s emergency services have published a video of the destruction and evacuation of local residents. pic.twitter.com/qvnBSuLXCg
— NEXTA (@nexta_tv) May 12, 2024
ゼレンスキー大統領は今週後半に、スペインとポルトガルを訪問する予定だったが、この事態を受け、海外訪問をキャンセルすることになった。
ロシア国防省も、「北部部隊は、ハルキウ地方のグリボケ(Glyboke)とルキャンツィの土地を解放し、敵の防衛線の奥深くまで進軍した」と発表している。
米政府、20億ドルの支援を約束
アメリカ議会の下院では、トランプ氏の支持者である共和党のマイク・ジョンソン下院議長や議員らが、ウクライナ支援の予算案に抵抗し、長い間承認してこなかった。
このためウクライナ側は弾薬や武器の不足に陥り、ロシア軍との戦闘で苦戦してきた。
アメリカのブリンケン国務長官は現在、ウクライナに滞在しており、今回のロシア軍の進撃を受け、20億ドル(約3120億円)の武器支援を発表した。(了)
出典元:The Guardian:Ukraine’s troops withdraw from parts of north-east as pressure mounts(5/15)