Switch news

知っておきたい世界のニュース

世界最古のボトルメール、132年前にドイツ船から流された瓶が発見される

世界最古のボトルメール、132年前にドイツ船から流された瓶が発見される
DPA

132年前にドイツから流されたボトルメールが発見されたとして話題となっている。

 

ごみと思って拾ったら、ドイツ語で書かれた紙が

 

はるか昔に海へと投げ込まれたボトルを発見したのは、写真家のTonya Illmanさん。

 

Illmanさんは今年の初め、オーストラリア西海岸に位置するウェッジ島の海岸を散策していた際、砂浜から突き出たボトルの姿を見つけたという。

 

その姿を最初に見届けた際には、ただのごみだと思ったというIllmanさんだが、ボトルを拾ってみると中に紙が入れられているのを発見。

 

インテリアとして本棚に置くことを思いついて持ち帰ったという。

 

しかしボトルの中に入った紙には、1886年6月12日にインド洋の航海を行っていた北ドイツの貿易船「Paula」から投げ込まれたものであることがドイツ語によって書かれていた。

 

 

そのためIllmanさんがボトルを西オーストラリア博物館に持ち込んだところ、博物館側がハンブルク近郊の町、ブレーメンに位置するドイツの海運局へと連絡を取り、Paulaによって投げ込まれたものであることが確認されたという。

 

航海日誌にボトルを投げ込んだとの記録も

 

ボトルに入れられていた紙には、海へと投げ込んだ日の日付と、Paulaが拠点としていたとみられる北ドイツの港町、ハンブルク近郊の住所が記載されていたという。

 

ハンブルクやブレーメンからほど近いドイツ北部の港町、エルスフレートを拠点としていたPaulaは、O. Diekmann船長の下でインドネシアまでの航海を行っていた。

 

DPA / Paula

 

Paulaの航海記録には1886年6月18日にボトルを海へと投げ込んだことが記されており、紙に書かれた筆跡もO. Diekmann船長のものと一致したという。

 

ボトルを投げ込んだ当日は、Paulaはボトルの発見場所から950キロ北に離れた位置にあったと言われている。

 

専門家はこれについて、海へと投げ込まれたボトルは一年ほど海洋をさまよった後にウェッジ島へとたどり着き、1世紀以上にもわたり砂浜に埋まっていたが、嵐によって地表へと現れることになったとみているそうだ。

 

6000本流されたうち返ってきたのは663本

 

19世紀には貿易船が科学的な実証のための任務を負うことは珍しくなく、Paulaから海にボトルを投げ込むというのも、潮流の動きや速度に関する情報を収集するために行われたものだったという。

 

またドイツの船は1864年から1933年にかけ、6000本以上ものボトルを海へと投げ込んだと言われているが、そのうち発見されたのは662本のみ。

 

最後に発見されたものは1934年に回収されているが、今回の発見により見つかったボトルは663本となる。

 

一方ギネスブックでは、これまで海に投げ込まれてから108年後に発見されたボトルメールが最も時間を要したものとして記録されていたが、今回のボトルメールにより記録が塗り替えられることとなった。

 

Illmanさんによって西オーストラリア博物館へと寄贈されたボトルは、8日より公開されている。しかし発見されるまでに132年もの月日がかかることになろうとは、ボトルを投げ込んだPaulaの乗組員は思いもよらなかっただろう。(了)

 

出典元:The Local Germany:German message in bottle takes 132 years to be found, smashing world record(3/6)

出典元:National Geographic:World’s Oldest Message in a Bottle Found on Beach (3/8)

記事が気に入ったら
Switch Newsをフォローしよう!


Return Top