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スペインのカナリア諸島でマス・ツーリズムに反対し、数万人が抗議デモ

スペインのカナリア諸島でマス・ツーリズムに反対し、数万人が抗議デモ
X_Fernando Ruiz

アフリカ大陸の北西に位置する、スペイン領のカナリア諸島。ここでは先日、マス・ツーリズム(大規模観光)に反対する抗議デモが行われた。

 

「観光客よ、私たちの土地を尊重せよ!」

 

4月20日には、諸島の全域で抗議活動が行われ、最大の島であるテネリフェ島では州都のサンタ・クルス・デ・テネリフェにおいて、デモ参加者らが「観光客よ、私たちの土地を尊重せよ!」や「カナリアには限界がある」と書かれたプラカードを掲げたという。

 

カナリア諸島には、多くのイギリス人やドイツ人などが観光で訪れ、本土のスペイン人にとっても人気の目的地とされている。

 

2023年には、1390万人の観光客が主要な7つの島を訪れたそうだ。

 

しかしデモ参加者は、観光客の数を制限し、環境や住民に有害とされる無制御な観光地の開発の抑制を求めている。

 

「島や住民の生活を破壊している」

 

もっともカナリア諸島の経済では観光産業が35%も占めており、デモ参加者らも、観光業自体に反対しているわけではないという。

 

抗議活動家のリディア・モラレスさんは、BBCに対して、次のように語っている。

 

「大きな問題は、これが島で何十年にもわたって強硬に行われている大規模な観光モデルであり、ただ島や住民の生活を破壊していることです。私たちは押しのけられていると感じており、私たちの優先順位は考慮されていません。政治家たちは観光複合施設やホテルの建設の方に、目を向けているのです」

 

活動家らは先週、カナリア諸島の観光業の破壊的な成長に抗議して、テネリフェ島でハンガーストライキを実施。さらに島南部のホテルとビーチリゾートの建設中止を要求し、すべての観光開発プロジェクトの一時停止を訴えたそうだ。

 

スペインの国立統計研究所(INE)によると、2023年にはカナリア諸島住民の34%が貧困または社会的排除の危険にさらされているという。(了)

 

出典元:BBC:Thousands rally in Spain’s Canary Islands against mass tourism(4/21)

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