ロシアのベルゴロド州で、「自由ロシア軍」などが攻撃を継続か?
先日、ロシア人の反政府勢力がロシア領内に侵入し、戦闘が繰り広げられたが、その後ロシア政府は撃退したと発表した。
70人以上の戦闘員を殺害と主張
プーチン政権打倒を掲げたロシア人らによる民兵組織「自由ロシア軍団」や「ロシア義勇軍」などが5月22日、ウクライナから国境を接するロシアのベルゴロド州へと侵入し、戦闘が続いた。
ロシア軍は23日、70人以上の「ウクライナ民族主義者(自由ロシア軍団らのこと)」を殺害し、残りはウクライナに押し戻したと主張。反政府勢力の4台の装甲車と、5台のピックアップトラックを破壊したと明らかにした。
またベルゴロド州のヴャチェスラフ・グラドコフ知事も23日、テロ対応措置が解除されたと発表。しかし同時に、ロシア国防省と治安機関は依然として「掃討」作戦に従事していると述べたという。(下は自由ロシア軍団のリーダーとされる人物の映像)
Leader of “Freedom for Russia Legion”, callsign “Caesar”: they encountered no resistance upon entering Belgorod region. Federal Security Bureau, border guards, police – everyone fled, according to him.
If their task had been to reach Belgorod, they would have succeeded,… pic.twitter.com/hJWWmgYlRs
— Anton Gerashchenko (@Gerashchenko_en) May 24, 2023
ドローン攻撃や砲撃も行われる
さらにグラドコフ知事は23日、2件の事件が起きたことを明らかにし、Novaya Tavolzhanka地区上空ではドローン攻撃(爆発せず)が行われ、またTerezovka地区では砲撃により1名が負傷し、その結果病院に収容されたと述べている。
また22日の攻撃により、9人が入院し、3人が深刻な状態で集中治療を受けており、インフラからの供給が引き続き中断され、500人以上が避難生活を続けているという。
22日夜から23日早朝にかけて、多数のドローンによる攻撃があり。ほとんどの防空システムは対処したが、ベルゴロド市では車、民家、オフィスビルなどに被害が出ているそうだ。
同州のグライヴォロン地区ではガスパイプラインが損傷し、小さな火災が発生。現在は破壊工作・偵察グループの進入時に被害を受けた、電気ネットワークの復旧が進んでいるという。
さらにTomarovka村でも、2つの管理棟に、ドローンから爆発物が2回投下されたそうだ。これらの被害の全体については、まだ確認が取れていないとみられている。
アメリカ製の車両が使われたと非難
今回の攻撃を受け、ロシア政府は、反政府勢力がアメリカ製の車両を使ったと主張。
このことは、ウクライナ紛争への西側の関与が強まっていることを示すものであると非難したという。
これに対し、アメリカ・ホワイトハウスのジョン・カービー報道官は24日、ウクライナがロシア国内でアメリカの車両を使用したという報道について調べていると述べたそうだ。
同報道官は、アメリカはウクライナに対し、アメリカ製装備のそのような使用を支持しないことを明確にしてきたと述べたという。(了)
出典元:The Guardian:US investigating reports American vehicles used in raid inside Russian border – as it happened(5/24)