イギリスで177年も育てられていた巨大なオオオニバス、新種だと判明
イギリスの植物園にある巨大なオオオニバスが、新種であることが明らかにされた。
他の種と考えられていた
そのオオオニバスが見つかったのは、ロンドンのキュー地区にある「王立植物園(Royal Botanic Gardens)」だ。
ここにはさまざまなスイレン科のハスが育てられていたが、このオオオニバスはそれまで、177年間も誤って他の種と考えられていたという。
しかし今回、詳細な科学的調査により、新種であることが判明した。
Meet Victoria boliviana, the record-breaking giant waterlily which has been named new to science at Kew after spending 177 years hidden under the surface of our collections.
Uncover more about this fascinating discovery: https://t.co/lqLFc7r0RN pic.twitter.com/G3NGOo0KYx
— Kew Gardens (@kewgardens) July 4, 2022
GOOD NEWS! 🎉
Experts at @kewgardens have made a HUGE discovery — the first #giantwaterlily discovery in more than a century!
🍃 The leaves of the Victoria boliviana can grow as big as 3 METRES!
⌛ Check out this amazing timelapse of these monster plants growing… pic.twitter.com/H7gIzCPMrW
— Nat Geo Kids UK (@NatGeoKidsUK) July 4, 2022
3種すべてを観察、詳細な絵を作成
世界的なスイレン専門家である園芸学者のカルロス・マグダレナ氏は、この植物が他の2つの巨大種、ビクトリア・アマゾニカとビクトリア・クルジアナとは異なるのではないかと、長い間疑っていたという。
そこで、ボリビアの科学者たち(ボリビア国立植物園、サンタクルス植物園、ラ・リンコナダ公共植物園)が、キューの植物園にいくつかの種(タネ)を寄贈したそうだ。
その上でカルロス氏と、植物学イラストレーターのルーシー・スミス氏は、3種すべてを観察。詳細で科学的な絵を作成したという。
その結果、3つの植物のあらゆる部分が全く異なっていることが判明、このオオオニバスが科学的には新種であることを発見した。
葉の幅は3メートル以上
このオオオニバスは、生息している南米のボリビアに因み、「Victoria boliviana」と名付けられたという。
またこれは世界最大のスイレンの記録を持ち、葉の幅は3メートル以上にもなるそうだ。
このオオオニバスは、他の2つの種と全く同じ条件で一緒に育てることができるが、イラストレーターのルーシー・スミスさんは、「偏見かもしれませんが、3種のうち、新種は最も美しい花のひとつだと思います」と語っている。
キュー地区にある「王立植物園」は1852年に建てられ、この巨大な睡蓮たちは、当時のビクトリア女王に因んで名前が付けられたという。(了)
出典元:BBC:Scientists discover new giant water lily species(7/4)