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30年前のソマリア内戦で残虐行為を行った元大佐が、米で発見され裁判にかけられる

30年前のソマリア内戦で残虐行為を行った元大佐が、米で発見され裁判にかけられる
flickr_Expert Infantry/写真はイメージです

アフリカのソマリア内戦で、青年を拷問したとされる男がアメリカで発見され、裁判にかけられた。

 

ソマリア軍の元大佐だった男

 

その男とは元ソマリア軍のYusuf Abdi Ali大佐だ。彼は「Tukeh」とも呼ばれており、約30年前の内戦でFarhan Mohamoud Tani Warfaaという青年を拷問し、銃で撃ったとされている。

 

しかしその後、アメリカに渡ってUber(一般人が自分の空き時間と自家用車を使って他人を運ぶタクシー)の運転手をしており、先日首都のワシントンD.C.で発見され、裁判にかけられた。

 

当時17歳だったWarfaaさんは牛飼いの仕事をしていたが、1987年12月に水を運ぶトラックが行方不明になった事件で大量の検挙者が出た時、軍に捕まってしまったという。

 

そして数週間に及ぶ尋問の間、彼はAli大佐配下の兵士らから殴られたり拷問を受けたり、両手と両足を後ろへ伸ばす姿勢のまま縛られたりしたそうだ。

 

銃で撃たれるも奇跡的に生きていた

 

その後、反政府勢力による攻撃が始まり、尋問が中断されると、Ali大佐は銃でWarfaaさんを数発撃ち、やがて兵士たちに彼の体を埋めるよう命じた。

 

ところが兵士たちはWarfaaさんが生きていることを知り、その後彼の家族から賄賂をもらい、解放したという。

 

そしてWarfaaさんは逃げ延びた後、アメリカへ渡ったそうだが、Ali元大佐も同国で発見され、先日裁判が行われた。

 

殺人未遂の罪については認められず

 

バージニア州のAlexandriaに住むAli元大佐は、同州で開かれた裁判においてWarfaaさんを拷問したことを否認。

 

元大佐の弁護人であるJoseph Peter Drennan氏は、告発したWarfaaさんが一族の復讐や、犠牲者としてのイサック氏族の人々の地位向上に動機づけられて裁判を起こしたと主張した。

 

しかし判事はAli元大佐に、Warfaaさんを拷問した責任があると認めた。ただし、Warfaaさんへの違法な殺人未遂については、直接の証言があったにも関わらず、認めなかったという。

 

そして3日間の審理の後、判事はAli元大佐がWarfaaさんに対して、損害賠償として50万ドル(約5500万円)を支払うよう判決を下したそうだ。

 

Warfaaさんはその後、会見で「今回の判決は私だけでなく、元大佐の下で苦しんできたソマリランドにいる他の多くの人々を擁護するものでした」と語っている。

 

ただしWarfaaさんが今後、Ali元大佐から賠償金を回収できるかは不透明なまま。というのも今回の裁判で明るみになったことで、UberのドライバーをしていたAli元大佐は仕事を失い、支払えるお金もないからと言われている。(了)

 

 

出典元:INDEPENDENT:Uber driver turns out to be Somali war criminal(5/22)

出典元:CNN:Accused Somali war criminal who drove for Uber and Lyft ordered to pay $500,000 in torture case(5/21)

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